天山出版(大陸書房)編

ジャパンカード 極東の憂鬱(トリプルメランコリー)

文芸書版  1989年9月14日初版発行

ノベルズ版 1991年9月17日初版発行
(コスミックノベルズ版は1993年7月15日初版発行)
(ノベルズ版は「極東戦域(ソビエト)軍出動セリ」に改題、二社共)

今は亡き天山出版より発売されていた作品です。旧ソ連が北海道に侵攻するという話は多くの作家によって書かれてきましたが、大石作品ではこの作品のみです。大石作品はソ連が国家として日本に攻める話自体が少ないですから。
この作品が出版されて8年、ノベルズとなって6年、直接的な軍事脅威としてはロシアはかなり大人しくなりました。エリツィンも依然と比べて日本に対して好意的にはなってきています。旧来的な日ロ戦争ものとしては最終期に属する作品なのかも知れません。

異常犯罪捜査官

ノベルズ版 1991年5月7日初版発行
文庫版   1994年2月15日初版発行(徳間書店より刊行)

雑誌「コットン」に掲載された「指名捜査官」を大幅加筆修正したものです。元の「指名捜査官」は、コスミックより発売されている「夢を撃つ男」に掲載されています(後に角川春樹事務所より、文庫にて発売)冒頭いきなりとある作家の自殺の検死に主人公の円納寺があたります。ちなみにこの作品は祥伝社の「ブルドッグ出撃す」と発売が半年程度しか違わないので、この作家が誰かは・・・。
今でこそプロファイリングが定着していますが、この作品も時代の先を行きすぎてしまった作品と言えます。でも個人的には軍事もの以外の大石作品も好きなので、このような作品も書いていって欲しいものです。別に新宿が舞台じゃなくても面白ければファンとしては良いのですが。